終局までの Leela の判定結果を得る

Leela のメニュー『Analyze』『Analysis Window』と『Show Histogram』から,下図に示すような図が得られます。


表示されている勝率ヒストグラムを見ると,黒は順調に優勢な局面を拡大しながら,中盤で急激に逆転されています。これは,黒が上辺の大石を取り込む成果を上げながら,3回におよぶ白の勝負手に根負けして,大きなコウ材を受けずにコウを解消したことにありました。

左辺黒石の眼を奪う巧みな第一の勝負手

左側の「次の一手の棋譜並べ」の手数窓 No. に「112」を入力し,「Jump」ボタンを押したときの棋譜を下図に示します。
白「112」は,左上隅への連絡と左辺での生きを見合いにした好手でした。


これに対する黒「115」が緩着でした。白「116」の地点まで足を伸ばすことができました。下図に示すように,黒「113」を保留して(白「114」と代わるとコウ材の損),白「116」の地点に打てば,白地を減らして寄せ具合が大きく変わりました。これは,Leela が示した想定展開図でした。


上辺黒石を封鎖して攻め合いに持ち込む勝負手

左側の手数窓 No. に「120」を入力し,「Jump」ボタンを押したときの棋譜を下図に示します。白「120」は,左側の4子の切り離しを狙いながら,上辺全体の黒石の封鎖を狙った好手でした。


これに対する黒「121」は,白の思い通りになって,上辺の黒石が封鎖されてしまいました。下図に Leela の想定展開図を示しますが,黒 ① から ⑤ のように打てば,左側の白との攻め合いになったときのダメ数が違いました。さらに,⑦ のようにハネだすことができれば,封鎖を免れて勝勢になりました。


コウ材の大きさを見誤ってコウ解消で敗北へ

左側の手数窓 No. に「172」を入力し,「Jump」ボタンを押したときの棋譜を下図に示します。白「172」は,上辺の黒「171」に対するコウ材です。これを受けておいても,上辺の黒がすぐにとられるわけではないため,左下白へのコウ材が多数ある所でした。しかし,頭書に述べたように,3回におよぶ白の勝負手に根負けして,深く考えずにコウを解消してしまいました。


結果的に,白「172」のコウ材は,下辺が通しの白地になるほどの大きな所でした。下図に示す Leela の想定展開図のように打てば,勝勢を維持することができました。